こんにちは。
神奈川・相模原の里山で自然農を営む「すどう農園」です。
私が尊敬する、和暦作家の高月美樹さんのオンラインでのお話を聞きました。
昨年は「ハヤチネンダ」さんのおひきあわせで、二回ほどトークイベントの対談をさせて頂きました。
お会いするほどに、そのお人柄と造形の深さに惹かれていきます。
歴史、文学、民俗学といった広大な教養に塗り重ねるように、自然界を感じるまなざしも豊かで、お詳しい。
一昨年「すどう農園」にいらしたときも、畑に飛び交う虫たちをじっと眺めてはそれぞれの名前を教えてくださったものでした。
同じクローバーでもアカツメクサとシロツメクサは蜜を吸いに来る虫の種類が微妙に違うことも、宮沢賢治の「ポラーノの広場」の一節をひきながらその時に教えてくださいました。
そして今回の高月さんのお話は、夏の青について、でした。
いわゆるジャパンブルーの幻惑的な世界を、藍染めを軸に説明してくださって、なるほどそうだったのかと頷くこともあれば、まったく知らなかったこともあり。
じっくりと世界が広がる愉しさを味わうことができました。自宅に居ながらこれほどの話が切れるというのは、実にありがたいことです。
そしていま、講座を反芻ながらの感想ですが・・・。
文字通り多彩な青の世界は、染めすなわち水に植物世界を溶かし込んだものを、改めて糸や布に映していく、その点にあるのではないでしょうか。
言うまでもなく日本は水の豊かな気候風土に恵まれています。
一年で一番日の長い時期にも梅雨があり、つまり日本列島の風土は、水の巡りとともにあります。
例えば砂漠の民が砂の色を多彩に表現するように、この列島に棲む人たちは、水の民として、布に染めた青の様々に名をつけた。
・・・ということかと思うのです。
写真は高月さんが毎年発行されている「和暦日々是好日」から。
旧暦の今年は閏(うるう)月もあり、なかなかリズムがとりにくいのですが、ひと月もすれば残暑の夕暮れにも秋風が立つのでしょうね。さっそく来年の和暦も楽しみです。インタネットで買えますので、どうぞ皆さんも一冊。
そして秋風の立つ頃には「さとやま農学校ショートコース」も始まります。
夏の名残をとどめる空が、だんだん深く澄んでいく。
そんな秋空の移り変わりを、土を踏みしめながら感じてみませんか。