こんにちは。
神奈川の里山で自然農を営む「すどう農園」です。
梅雨の晴れ間は草刈り日和。
ヨモギの野原をいったん刈ります。そうでないと、他の草が猛獣のように伸びてきて大変なことになるから。
4反(1200坪)ほどの広さは肩掛けの刈払い機ではとても無理。左隅に写っているハンマーナイフという動力の機械で押していきます。草を刈りつつ小さくチップに粉砕するので、土に還るのも早い。大きな面積の不耕起栽培でも便利です。
ただし森に接するエリアは無作為には刈れません。森と畑の境界線は、パーマカルチャーや生態学では「エッジゾーン」といいます。つまり異なる世界が接することで生物的に多様性が生まれる大事なゾーンなのです。他にも例えば波打ち際や、歩道と畑の際など、身の回りには色々なエッジがありますね。もっと広く見れば里山そのものが、山と里の触れ合うエッジです。あるいは国境を接して多様な民族文化が融合・共存する土地もエッジの一つでしょう。
ですからエッジの手入れは画一的にはできません。そこに生えている植物を見極め、地形や湧き水の具合を見て、風の通りを感じて、じっくり手作業です。草刈り一つでも、均一にやるものではなくて、濃淡をつけるわけです。それを「里山は凸凹して手間がかかる」と思うか、逆に「変化があって面白い」と思うかで里山ぐらしの意味は180度違ってきます。もちろん、私は飽きません。毎日がワクワクの連続です。