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青いクルミの効用

野山でクルミを拾う@すどう農園
野山でクルミを拾う@すどう農園

 

こんにちは。

神奈川・相模原の里山で自然農を営む「すどう農園」です。

今年はウメも豊作で、あちらこちらのウメの木の下には熟した梅が落ちています。
昨年の全体的な凶作から一転して、どこも良い出来のようです。皆さんこれから梅干やシロップに忙しいことでしょう。
そしてどうやら、里山のクルミも豊作のようですね。
水の好きなクルミは、沢沿いに点々と伸びています。熟した実は油分も多いので、川に落ちても腐ることなく流れに身を任せて漂い、そうしてどこかの川辺に漂着して目を出します。沢沿いに歩いていると流れの澱んだあたり、妙に水が黒ずんでいるのはクルミがそこに流れ着いてアクを出しているからです。
昨日は未熟な青クルミを拾って歩きました。けっこうあるなあ!

木の実を拾うというのは、それだけで心が躍るものですね。自分で育てた野菜の収穫とは明らかに違う次元のうれしさです。

青クルミの使い方は、まずウオッカなどの強いお酒に漬け込みます。
数日で真っ黒になってくると、これが草木染やインク代わりに使えます。イタリアのノチーニョというお酒は、スピリッツに青クルミを漬け込むときに砂糖をたっぷり入れるらしいです。つまり梅酒と同じ要領かなと思って、以前つくってみたけれど、私の作り方が下手だったのか、別に美味しいものでもなく(笑)、そもそも梅酒も含めて、甘く漬け込んだ果実酒の類は好きでないのです。お酒というのは、私にとってはやはり日本酒のような醸造酒が本来であると思う。ちなみに、梅酒よりも私はスッピンの「ホワイトリカー」が好きです。自分を一切主張せずに、ただひたすらに磨いている姿って、なんだか黙って仕事をする職人のようで素敵でしょう?日本酒やウィスキーの作り手はあれこれと熱い想いを語るけれど(それぞれ皆さん素晴らしい)、ホワイトリカーの作り手(例えば協和発酵さんなど)は、ほとんど表面に出ませんね。これも実に潔い。

で、数年前に仕込んだクルミの黒い液体が保存してあるので、これで染をやってみようと思います。
この話になるとまた長くなるので次に回しますが、今年は絹糸を染めてみたい。それから、染めた絹糸で手毬をつくりたい。
こんなふうに、やりたいことはいろいろあるのですが、手仕事というのは、チョコッとできるものでないですからね。
やはりお仲間も必要です。