こんにちは。
神奈川・相模原の里山で自然農を営む「すどう農園」です。
5月6日は「さとやま草木譜・新緑のコース」の二回目でした。
いつもながら「さとやま草木譜」について、どんな内容なのかをズバッと説明しにくいのですね。ただ単に樹を植える、というだけでなく、そこから広がる森羅万象に心身で浸っていく。そこにはアグロフォレストリーやパーマカルチャーの考え方、方法論も盛り込まれています。自然農の野菜作りにフォーカスした「さとやま農学校」から範囲を広げた講座です。どうぞブログで具体的にご覧になってください。ブログカテゴリで「さとやま草木譜」のタグが付いたブログをお時間のある限りどうぞ。
既に梅も色づいています。
昨年は非常にできの悪かった梅でした。昨年のブログを見てください。
一転して、今年はだいぶ取れそうですから、じっくりと梅干を漬けていこう。
今年は早いなあ、これでいいのか?と首をひねりますが、どうやら全国的に暦のスピードが前のめりになっています。
枝がたわんでいるのが、以前にもブログで紹介した「切り上げ剪定」によるものです。
ウメの重みで自然と垂れてくるので収穫も便利です。切り上げ剪定については、自分の中で整理しきれていない点も多いのですが、まず今年はグッドです。数年たった枝と新しい枝との切り替えのタイミングなどよくわからないこともあるので、ここまで来たら自分の感覚でウメと付き合っていくことにします。ウメの実り方をじっくり眺めて、冬の剪定の形を考えています。そしてウメの周囲にはいまクローバーやカラスノエンドウ、ヨモギなドガだいぶ増えてきましたが、さらにメンバーを増やしたいところ。こういうのは、畑にいるときにフッとアイディアが降りてくるものです。心を開いてその瞬間を待つ。
ウメの苗の周囲に種をまいていきます。今回は蜜源になるソバの種を蒔きました。秋の蜜源植物はキク科が多いので、それ以外の植物も増やそうと思ってソバをチョイスです。黒いサークルはイノシシから守るためのものです。ウメの樹をイノシシが食べることはないのですが、なにかのはずみでぶつかるイノシシもいるので、こうしています。本来は不自然なものなので、数年かけて樹が太くなれば外します。
さてこの日は、5月と思えないほど気温の上がった一日でした。
こんなときこそ木陰の涼しさを改めてありがたいと思います。
「樹は、自分を伐りに来た者にすら木陰を与える」というのがブッダの言葉にあるそうです。
寛容、慈しみ、包摂・・・木陰にいるだけで、いつも様々な言葉が湧いてきます。
今日は体調を崩してお休みの方が数名いらしたので、さらに少人数で静かに手を動かしました。
柿の実は非常に糖度が高く、それゆえに落下した柿が醗酵して株元の土を非常に豊かなものにしてくれます。
だから柿の樹を起点にして多様かつ繋がりのある場を作るのが日本の風土には適していると思うのです。
その後の様子を見ながら作業を続けました。良い感じで野イチゴも根付いています。
すると・・・
みんなで草取りをしている写真です。
そして青いマルで囲ってあるのが、日本ミツバチが群れて球状になったもの。この中に日本ミツバチの女王がいて、これから全員で新居に移るところなのです。この床にしばらく気が付かずに私たちは作業をしていたのですが、ふとこの群れを見つけてビックリ!
呆然と見守るなか、日本ミツバチはおそらく新居が見つかったのでしょう(偵察をする役目のハチがいるようです)、突然グルグルと旋風を起こすように次々とハチは群れから遠心して飛び去っていきます。バレーボールくらいの大きさだったハチの球はたちまち小さくなり、風に溶けるように消えました。球から分かれた無数の日本ミツバチはひととき周囲の空をグルグルと旋回し、それから飛び去りました。この風景は、おそらく二度見ることはないでしょうが、瞼に焼き付きました。呆然と立ち尽くすばかりの瞬間でした。
こんな具合に、里山では様々な生き物がドラマを繰り広げています。
6月11日には「6月の農園WALK」もあります。まだ参加できます。下のフォームからどうぞ。