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ハコベ塩の作り方

 

こんにちは。

神奈川の里山で野菜やハーブを育てながら自然農を営む「すどう農園」です。

 

まもなく3月。
関東の冬はそろそろ底打ちでしょうか。これから先も「八十八夜の別れ霜」のような突然の寒の戻りはあるでしょうが、それでも日差しは伸びてきます。春は春です。自然農の畑はすでに小さな野草が花を咲かせています。そして静かに冬を越してきたハコベもぐうんと伸びて可愛い花を咲かせています。白くて小さなVサインの花弁が5枚。


ハコベはおいしいですよ。ナデシコ科の植物はほかにもイタリアの野菜で「ストリドーロ」というのがありますが、これもおいしかった。農園でもかつては育てていました。シラタマソウの近縁種といえば、園芸の好きな方はお判りでしょう。とても花がかわいらしいですね。過去ブログ「イタリアの野菜ストリドーロ」にも書きました。

 

話はハコベに戻りますが、これを春の七草とまではご存じでも、それ以上に台所で親しんでいる方は少ない。無理もないですね。ほとんど市販されていません。道端で見かけても、人の土地や公園だし、除草剤や排気ガスが心配だし、人目にも恥ずかしい。ヨモギでもなんでも野草とはそういうものです。本来は身近なものほど大事なのですが、それが叶わないのは残念なことです。都会に限らず、農村でもハコベはたいてい雑草扱いです。ハコベがおいしい、などと言うと鼻で笑われる。これもまた変な話で、手間をかけずに育ったものを、どこかで見下すのですね。農薬を何回もかけて育てた野菜のほうが立派とでも言いたげに。

ハコベの葉は抗菌作用があります。かつて「ハコベ塩」といえば伝統的な常備薬で、虫歯や口内炎などの時に用いたそうです。西洋では同じようにクローブを使ったそうですが、クローブはあくまでも南方から運んできたものであり、ハコベはまさに身土不二の植物ですから、対照的です。私たちがどれほど多様で豊かな植物に囲まれているか、それはもっと実感してほしい。

ハコベに限らず、春の野草は、主格の時に先端の柔らかそうな部分をつまむように集めること。野菜と違って筋っぽい部分もあるので、台所でより分けるのが面倒です。まずは収穫を上手にやりましょう。おいしそうな部分だけ贅沢に見極めてハサミで収穫するのがコツです。

ハコベ塩のつくりかた

上の写真は、静岡でお土産に買った抹茶用の石臼で、乾燥させたハコベを粉に挽いているところ。ここまでやればよくある健康食品になります。これに塩をあわせて歯を磨きます。

石臼がなくても普通のすり鉢でOK.

こちらは乾燥させずに作りました。ミキサーにかけて布で絞ったエキスと塩を合わせて使います。
保存はききませんが、これはペースト版。塩はお好みの分量で。ハコベは真冬以外は、ほぼ通年生えているので、保存させるよりも折々に作るのがいいと思います。

今年はまたどんなふうに植物と暮らそうかと、考えるだけでも愉しい季節の始まりです。4月から始まる「さとやま草木譜・新緑のコース」でも、皆さんとそんな時間をとりながら、暮らしの中に植物を取り入れていく(というか、取り戻していく)一里塚としましょう。下のフォームからお申し込みください。