こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。
前回のブログから一週間以上も空いてしまったのは、ぐっと涼しくなったからです。ここまで気温が下がってくると、真夏の最中には熱中症を気にして避けていたハードな作業もできるようになります。しかも長時間の作業になるものだから、仕事が終わるとぐったりして、そのまま眠るばかりのスケジュールになるからです。この涼しさがまた眠気を誘いますね。そうして休みの朝などは、昨日までの疲れが程々に背中に残る。これが長年すっかり体に馴染んでいて、かえって心地よく朝寝ができます。
というわけで、本当は書くべきことはたくさんあるのですが、この季節はやはり種取り(自家採種)が大事です。種取りは、私たち自然農の基本形・・・というよりも、自給を目指す人なら誰でも必須の作業といえるでしょう。自家採種のことはこれまでもブログで繰り返し書いてきていますのでサイト内検索のボックスに「種取り」もしくは「自家採種」と入れてみてください。
最初の写真はオクラです。きれいですね。元気な親株から、なるべく最初の頃の実をマークして、熟しきったところで採種です。オクラの種取り自体は簡単ですが、発芽率がよくないので複数の親株からできるだけたくさん種取りをしておきます。
ナスはここまで大きくして採種します。私の長靴が26センチなので比較してください。
柔らかい果肉からナスの種をほじくり出します。ちょっと手間のかかる作業だけれど、ナスの親は、この種に渾身の精力を込めてくれたわけですから、一粒づつ大事に頂きます。
柔らかい果肉からナスの小さな種をほじくり出します。ちょっと手間のかかる作業ですが、ナスが精力を込めてここまで種を継いでくれました。一粒も無駄にしないように、大事に取り出して保存します。これがまた来年の春に土に帰り、また秋には種になって戻ってくる。その往還を繰り返す中で、だんだんとナスが農園の風土に馴染んだものになってきます。これが大事。
力費用のヒマワリも種取りをします。ヒマワリに限らず、今年は緑肥のタネが値上がりもしくは品切れです。化学肥料がこの2年でおよそ3倍という暴騰ぶりで、しかも中国からの輸入が非常に厳しくなった状況で、肥料として緑肥を使う人が増えているようです。そんな「とばっちり」で、今まで普通に買っていた緑肥が店頭にないという事態も耳にします。まあしかし、化学肥料と力人は、まるで意味合いの異なるものですから、まったくの代替品という使い方ではうまくいかないと思います。にわかオーガニックが、うまいこと根付くかどうか私は疑問です。
農学校の融資の皆さんによる和棉も、早くもコットンボールをつけ始めました。これから少しづつ棉を摘む日が始まります。もちろんこれも種取りにつながります。
さて9月になり、今年も「さとやま農学校ショートコース」が始まります。おかげさまで満員御礼となりました。
夏から冬へ移ろう空のもとで、ゆっくり土に触れるのは気持ちの良いものです。
そうして今年もまた、火を焚いて、火を囲んで、みんなでつくって食べる、そんな季節が来ました。
カマドご飯のおにぎりや野菜たっぷりのスパイシーなカレー、石窯のピザ、焼き芋、ジビエ鍋、そうして巣年ぶりに醤油搾りも復活します。少しでも自給を進めていきましょう。そのためには一人では大変ですし、大きな組織も無理がある。ごく少人数で顔の見える仲間がいることが、無理なく続けられて心強いのです。