昨年8月17日のブログでナラ枯れについて書きました。
去年の写真が最初のもの。そして同じ場所を今年取りました。去年も横向きで撮影しておけばよかったと反省。
この部分だけ見るとあまり変化はないようですが、全体を見回すと、やはりナラ枯れの被害は広がっているようです。
次の写真は、上の写真よりも藤野方面に入ったところ。中央道を見下ろす南向きの斜面です。
月刊誌「現代農業」に連載されている黒田慶子神戸大学名誉教授のナラ枯れに関する寄稿はとてもわかり易くまとまっています。被害僕が数十本に増えてしまったら「枯れ木を何とかする」というレベルでは遅い。「里山をどうやって持続させるか」にシフトしていくことを強調しておられます。同感です。
薪炭林という存在そのものがマイナーになってしまった現在、ナラに代表される薪炭用の樹種から、もっと多様な栽植もあろうと思います。
ただし厄介なのは、いまの里山が全国的に人の手が入らなくなっていること。とりわけ私有林は、どこが誰の土地かわからないことも多い。代替わりで土地を相続した人が都会に出てしまって不在地主の山林になっているのは、もとを辿れば、かつては共同体で共有していた山林を、明治政府が個人所有に分割し、つまり課税の対象にするための分割・私有化を断行したという背景もあったようです。まったく根は深くてややこしい。そうした山林が、つまり平野でない場所が国土の半分以上を〆ているこの国のかたちを、大きく考えるとげっそりしてくるから、自分なりにできることをするのが一番ですね。そう思って、今日も苗木を眺めています。この暑さのピークが過ぎたら植樹に入ります。