こんにちは。
神奈川・相模原の里山でハーブを自然栽培で育てている「すどう農園」です。
7年がかりで大きく育てたベチバーを掘り上げた模様は先日の「ベチバーの蒸留その1」で書きました。
3月21日「さとやま農学校」の皆さんがチゲ鍋を囲むのと並行して、岸田紀子さんにまた道案内を頂きながら、すどう農園の加工場でベチバーの蒸留にかかりました。
インド原産のベチバーは寒さに弱いので、関東でベチバーが収穫されることは非常に稀だそうです。たしかに「すどう農園」でも、ベチバーはビニールハウスで育てていたものだけが冬を越すことができて、露地に植えたものは皆枯れてしまいました。
前回に蒸留したのが2018年ですから、4年ぶりの蒸留。まるでオリンピックのようです。
非常に稀な機会なので、ぜひ大変したいというハーバリストの方々も多かったのですが、農学校で土に一緒に触れていた方々に限定としました。農家で行うハーブ体験は、蒸留だけを切り離して行うのでなく、あくまでも畑で育てるところから連続しているのが基本だからです。精油やサプリメントばかりでは、本来の植物の姿が見えませんが、それが感じられるのが農業の大事なところなのです。
収穫したベチバーの根を、よく洗います。
イネ科の根ですから細かい根も含めてがっしりとしています。剛毛みたいなワイルドな感触です。
この段階で既に香りが漂ってきます。
ジビエのような野生の気配が官能に寄せてきます。
ハーブの無農薬栽培から蒸留まで
こうして皆さんと収穫したベチバーを、いくつかの方法(アランビックやハリオのガラス蒸留器、らん引きなど)で、蒸留し、それもまた数回に分けて香りを嗅ぎ分けました。お茶で言うならばファーストフラッシュにあたる最初のものと、3番目のものとでは香りが違うし、蒸留器の種類によっても香りは違うものです。香りも生モノですね。時間とともに変幻するエフェメラです。
こうした多様な植物世界を味わって頂ける場を、5月あたりから「さとやま草木譜」として始めようと思っています。不定形のところからスタートしていきますが、五感を開いて植物に触れ合う点は農学校と同じです。
まずは折々に講座や体験会などを開催しますが、少数限定なので、お申し込みがすぐに埋まってしまいます。HPでは見逃す方も多いのでメールマガジンで優先してご案内します。下からどうぞ、ご登録ください。