私達は、誰とご飯を食べるか

・・だけど私は
  好きよこの街が
  肩を寄せあえるあなた
  あなたがいる
          東京砂漠・前川清 吉田旺(作詞) 
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タマネギが、ぬか床で少しづつ芽を伸ばしています。
もう二年越しになりました。
可哀想だと言われそうですが、種を実らせる前のキュウリを収穫して漬け込むのだって似たようなものでしょう。相手が植物だろうと動物だろうと、食べることはつまり生命のやり取りだ。
けれどもそれは「食うか食われるか」の非対称の関係でなくて、自分が食わせてもらったぶんだけ別の生命を食わせて育てる循環であればと思う。すなわち一文字違いの「食うか食わせるか」。
食べさせあうつながりが、プレゼント交換の輪っかみたいに巡れば良し。
なので今年は野菜は売りません。。
収穫はすべて子ども食堂への提供をメインにした「食べさせあう畑」にします。いつの間にかこの国は、まともにご飯を食べていない子どもが増えてしまいました。「いつの間にか」という無自覚な物言いを我ながら愧(は)じる。野菜をお渡ししたぶん、何かが入って来ればいいし、それをまた出して、というブレッシングのイメージですが、どんなふうにできるかな。
そうして我ら、苔(とう)の立った大人たちも、この先どうなのでしょうか?
誰とどんなふうに、肩寄せ合ってご飯を食べますかね。
想うところはいろいろありますが、まずは皆様に安寧あれかしと祈り、年始のご挨拶とさせていただきます。