植物はうたう。
その体に流れる電気の変化を読み取って曲に変換して演奏する。そこに生身の人間が協演する。
その昔「月夜果実店」でお世話になった鈴木浩之君が、そんなことを試みていると知って大森まで訪ねました。
手みやげに、畑で種をつけ始めた藍を朝一番に掘り出していく。種をつけ始めた頃の植物は、生涯で最も精を凝らしている旬だから、生命の盛りのうたを聴きたくて。
どんなに静かな畑や森でも、どこか奥底に密やかなウィスパーを感じることは、どなたもあるでしょう。逆に、野菜や花にモーツァルトを聴かせて育てる農家もいます。
それにしても実際に音になってみると、こんなに健気なうた。それでいて背筋を伸ばしたうた。なにか違う生き物のよう。
いま鈴木くんはキーボード奏者の川崎ろまんさんとAOIHOSHIというユニットを組んでYOUTUBEでも配信しています。富士山本宮の浅間神社の桜との協演など素晴らしいものです。
そして今度は相模湖の里山にもお招きする話を進めています。
つまり自然界では、色々な生命が交響曲を奏でているのでしょう、そのことは、もちろんITがなくとも感じているはずなのです。そんな場所に毎日浸れることを、あらためてありがたく思えます。