こんにちは。
神奈川・相模原で自然農を営む「すどう農園」です。
秋の彼岸を過ぎるころ、自然農の畑では草の顔ぶれが変わります。
これまで猛々しい夏のイネ科を刈っていくと、その下からハコベやクリムゾンクローバーなどの、春先を柔らかく包んでくれる草が芽を出しています。言うまでもない春の七草ですね。つまり秋こそは春の始まりなのです。
秋というと、一般的には日も短くなって寂しくなるようイメージですが、私に取ってはむしろ夏こそが寂しい季節。とりわけここ数年は昼間の外出が危険なほどですから、太陽の強い時間帯ほど息を潜める事が多い。日陰に休んだり、あるいはサングラスをかけたり、帽子を目深にかぶったり、つまり目の前は暗い状態なのです。夏は明るすぎるから暗い。
それが秋を迎えると、段々と太陽の勢いも弱まり、夏のあいだ身を潜めていた種が芽生えてきます。だから私にとって秋の訪れは、暗くて熱い夏から開放されて生命が息を吹き返す「再生の季節」なのです。春の訪れに、夏の緊張が解けていくのを感じます。