「裏返しですよ」
「見せてんねん」
というやり取りはしないで裏地に凝るのは関東の流儀、今の今だけ見ておきゃれ。
履き続けた藍染め麻パンツの繕いを、奈良におわす「大宇陀ちくちく所」の針姫様にお願いしました。
小さなダーニングや裾の手直しに加えて裏地に古布をしっかり縫い込んだ、それは繊細なお仕事です。
かつて針姫様とは一緒に野良仕事をし、お酒をたっぷり頂いたお仲間ですゆえ、仔細は言わずと心得て余る。
だいぶしっかり繕っていただいたけれど、いずれまた綻んだらお願いします。歳月を縫い重ねて衣服は育っていくよう。