I have a dream today!
I have a dream that one day, down in Alabama, with its vicious racists, with its governor having his lips dripping with the words of "interposition" and "nullification" -- one day right there in Alabama little black boys and black girls will be able to join hands with little white boys and white girls as sisters and brothers…
私には夢がある。
それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である…。
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上は、マルチン・ルーサー・キングの公民権運動にかかわるスピーチ。子どもの送迎の車中で繰り返して聴いています。リンカーンの彫像の前に20万人の聴衆を集めた言葉の濁流のようにほとばしる言葉の力。
学生の頃、昼寝しながら聞いていたFENで流れてきたこのスピーチに驚いて目が覚めたものでした。抑圧、自由、あるいは夢という抽象的な言葉にこれほど力があるのかと呆然となったものだったけれど。
そして昨日は、カマラ・ハリスのスピーチを良いタイミングで聴いて比べることができました。言葉のひとつびとつまで吟味した、知的で温かくて包容力のあるスピーチでしたね。
言葉は魂を伝える媒体(エーテル)なのだから、ときに人の命をたわめることもあれば命を吹きこむこともある。だから無駄に言葉は使うものではないし、かといってキング牧師が言ったように「最大の悲劇は悪人の圧政よりも善人の沈黙」なのだから、おくすことなく言葉は使うべきだ。それだけ申し添えたらいつものように論評は抜き。
ただ事実として:
マルチン・ルーサー・キングのスピーチは1963年のものであること。つまり僕の生まれた年だ。
翌年にカマラ・ハリスが生まれた。東京ではオリンピックがあった。
翌65年、アメリカで公民権法が制定されて有色人種に参政権が認められた。
いまの日本においては戦前から数世代にわたって暮らしている外国人にも参政権はない。
若いうちにできる限り、命のある言葉を聞いておいて欲しいと希う。
キング牧師のスピーチはYoutubeで長短とりまぜて聴けます。全文(日英とも)はアメリカンセンターのサイトにあります。