こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら野菜作りの農業学校を開催している「すどう農園」です。
上の写真は「自給&無農薬の野菜づくり教室・さとやま農学校」で間引きをした金時ニンジンです。
ちょっとタイミングが遅くなったので、間引きとはいっても太めですね。これよりも遅くなると太らなくなります。残すべきニンジンを傷つけないように優しく抜くのは少し手間がかかります。そのためにも早目の間引きが大事です。
それから着目すべきは金時ニンジンの色あいです。まだ赤味が足りないでしょう?これからもっと鮮やかな紅色になります。
金時ニンジンのような紅色系のニンジンの色素はリコピンです。黒田五寸のようなオレンジ系のニンジンの色素はカロテンです。
リコピンはトマトにも多く含まれます。カロテンは文字通りキャロットに由来する色素です。どちらも人間にとって大事なものですが、市場のシェアはオレンジ系のものが圧倒的ですね。紅色系のニンジンはお正月に喜ばれるので、農家としては年内に収穫して売りさばきたい品目です。いずれにしても年内にしっかり太く紅くなって欲しいニンジンです。
自給菜園でニンジンを太らせる方法
ニンジンを太らせるためには水を切ります。水辺を故郷にしたニンジンは、取り分け初期成長で水分を必要としますが、そのまま成長の最終段階になると太りません。水がふんだんにあればニンジンとしては太る必要がないからです。
そこで下の写真のように「さくり」作業をします。つまり、ニンジンの畝に並行して溝を斬り、水はけをよくします。そのときに削った土はニンジンの株もとに寄せます。ネギの中耕除草と似ています。ちょっと難しい作業ですが、農学校の皆s何も今ぐらいになるとかなりクワの使い方も慣れてきました。とにかく農作業はオンラインでは絶対に習えません。体で覚える事。
さあ、もう一息。
年末になれば、色づいて太ったニンジンから種取り用の「母本選抜」にかかります。「さとやま農学校」の千秋楽あたりで行う大事な作業です。
「さとやま農学校2021コース説明会」も来月から始まります。今年もコロナで大変ななか、皆さんのご協力で種取りが進められました。来年もまた命を繋いでいきます。
想えば、人間が人間らしく触れ合うことができなくなった一年でした。人間であることのもろさ、危うさを痛感するなかで、人間らしさを支えてくれるものは、土であり、太陽であり、そうした諸々に心身をさらして包まれていくことだと、あらためて痛感します。これが人間の原点でしょう。
コロナが収束すればそれでよしというものではありません。それは皆さん実感されていることかと思います。
野菜の種と一緒に私たちもイノチを繋いでいきましょう。
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