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梅雨は緑肥の収穫期

自然栽培で緑肥を使う
自然栽培では、こうした大きな草は土づくりのための緑肥の貴重な素材です。

梅雨が明けません。 

梅雨の中休みの晴れ間すら少ない、かなりな日照不足の関東です。
まあこれでも、豪雨で大変な想いをなさっている西日本の皆さんにしてみれば良い方かもしれません。西日本では野菜がほぼ全滅という農家さんのニュースも随所で聞きます。いたわしいことです。既に市場も野菜が薄い。
 

昨年の猛暑と台風のセットも大変でしたが、既に波乱の今年前半です。暦の上ではだんだんと太陽の日照時間が少なくなっていく季節を迎えました。これから梅雨が明けて来る太陽をどれだけ大事に使えるか。
 

例年よりも7割ほど降水量が多いということで草の育ちも旺盛です。写真はオオブタクサ。
すごいネーミングですが、確かにでかい。あっという間に3mを越える背丈になります。キク科なので秋に花を咲かせると種を風に飛ばして一面に増えていきます。外来生物としてワーストにあげられる好ましくない植物です。たしかに熱帯雨林かと思うほど覆い繁る様子は恐ろしいほどの勢いです。私はかつてのプロレスラー「アンドレ・ザ・ジャイアント」にちなんで密かに「アンドレ」と呼んでいます。オオブタクサなどという名前もなんだか殺伐としていますから。

 

しかし、です。
このアンドレは、自然栽培にとって、ひとつ大きな役割があります。それは非常に草木のボリュームがあるので、刈ってしまえば有効な炭水化物つまり土づくりができるのです。アンドレは図体は大きいけれども手でも引き抜ける相手です。ここが例えばマメ科の雑草のクズやタデ科のギシギシなどの宿根草とは違うところです。しかもこれだけ図体が出界ので他の植物を圧倒してくれます。つまり、ある程度の大きさまでアンドレを生やしてしまって、そのあと花を咲かせる前に一気呵成に刈り取るか抜いてしまえば手際よく土づくりができます。しかも図体が大きいので、刈り倒せば相当な面積を覆ってくれて、当分他の草が生えてくることができません。
 

そう思えば良いことづくめなのですが、大事なことは花を咲かせる前に一斉に刈り取るということです。
そうしないとアンドレたちはどこまでも広がっていきます。だから本当はヤギなど飼って、あちらこちらの畑を移動しながらアンドレを食べ続けてくれたらいいのですが、誰かが見張らなければいけない。誰かヤギ飼いが出てきたら愉しいのですがどんなものでしょうか。草刈りを外部に頼めば時給1000円以上かかりますから、それと同じくらいのスピードで草を食べるのは無理としても、ちょっとした高齢者のお仕事にはなるのではないでしょうか。草刈りよりは肉体的にだいぶ楽なはず。