こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農業体験の講座を開催している「すどう農園」です。
「講座・火と暮らす2019」は、1月13日に最終回を迎えました。自然石を探して割ってロケットストーブの受け口に積んでいく作業です。石と一口に言っても様々ですが「火どころに使う」という視点から大きく分けていきます。火に強くて割れないもの、熱を蓄えるもの、などなどの役割を果たすにはどんな石がいいか・・・ざっくりと鉱物成分と形状から分類できます。野外であれこれ石を探すのは楽しい作業ですし、あるいは建材に使われた残りのものも町中にたくさんありますね。石は腐るものでないので(風化はしますが)、余ったまま放置されているものが多い。重いから運びにくい。そんなデメリットが逆に石探しのメリットでもあります。まさに宝探し。
大谷石(おおやいし)とは火山灰がギュッと圧縮されてできた石です。それゆえに成分が均一なので火にあたっても割れにくい石です。冒頭の写真にあった御影石は、雲母や石英などの様々な鉱物成分が混じっています。それが模様をなしていて綺麗なのですが、お互いの成分の膨張率が違うので、熱を当てると反目しあってぱりぱりと割れてしまいます。だから火のあたる箇所には使えません。硬いことと火に強いこととは比例しないのです。大谷石の加工はモルタル用の金ノコでも切れるくらいです。割った断面は薄い青緑でとてもきれい。これが時間が経つと風合いも出てきます。大谷石はこれまでに石窯づくりでさんざん使ってきましたが、産地の栃木県でもだいぶ掘ってしまって減っているそうです。全国に同じような火山灰由来の石があるので、是非活用してください。
石の割り方は様々な方法があります。大きな石であればセリ矢を打ち込んで割ります。昔の石切り場でもそうしていたようですね。今回はハンマーとノミで割りました。ノミは、前年度の「講座・火と暮らす」で道路工事用のドリルビットから鍛冶で鍛造したものです。コツコツと衝撃を続けることでぱかっと割れます。切断の原理がノコギリや包丁とは全く違うのです。昨年の「講座・火と暮らす」の模様はこちらのブログです。
山で自然石を集めました。「薄いミルフィユみたいな石をモルタルで積んでみたい」という受講生さんのリクエストにお応えしました。お目当ての場所に行くと、いろいろあります。ただし、石はホントに重い。買い物かご程度の量でも大変です。そもそも川原などでは石の採集は原則禁止ですから、その辺も良く考慮しないといけませんね。
自然石を割る場合も、石の目に沿って割ります。「石には目と顔がある」というのが自然石を使うときのポイントです。
最後に耐火セメントを使ってロケットストーブの受け口に、割った自然石を積んでいきました。石積みはとても奥の深い世界ですね。レンガ積みのように決まった段取りでテキパキやるよりは不ぞろいの中にバランスを探す、とても知的な作業。体も心もしっかり動かした気持ちになれます。この先は、2020年の10月からまた「講座・火と暮らす2020」を開講の予定ですので、ご興味のある方は下のフォームから「告知希望」のメッセージをください。8月のお盆が過ぎた頃に、お知らせメールをお届けします。
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