こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら、都会の皆さんに農的暮らしの楽しさと、里山の多様性を講座でお伝えしている「すどう農園」です。
「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」の受講生・修了生の皆さんによる自主サークル「農学校染め部」の皆さんによる草木染も、これで6年目になります。
藍の乾燥葉で染める
畑にありふれた雑草や、野菜だけれど食べられない部分を使った草木染め、というコンセプトで始まったさとやま農学校」の草木染めですが、藍だけは例外的に種まきから育苗まで手塩にかけて育てています。ほかは雑草のギシギシの根やニンジンの葉、栗のイガ、そして今回のセイタカアワダチソウなどです。かれこれ毎年の藍染です。藍の生葉の叩き染めから始まって、沈殿藍を育てたり、毎年染め方を変えて楽しんできました。今年は台風で、せっかく収穫した藍を濡らしてしまったりと散々でしたが、それでも皆さんの知恵を終結して、上の写真のようになりました。今回は藍の乾燥葉を使っての藍染めでした。
藍の花と藍の種取り
藍の花は、「アカマンマ」と呼ばれるイヌタデと同じタデ科です。小さな花からこぼれそうな種を集めて来年まきます。藍の種を畑に直まきすると、雑草のアカマンマと見分けがつかなくなるので、ポットで育苗してから畑に定植します。藍はヤナギバアイとマルバアイの2種類があるのですが、こちらは葉の形が細長いヤナギバアイです。花の咲く時期が、ヤナギバアイの方が遅めです。栽培そのものは難しくないのですが、うまく間引いて株を大きく育てて葉を収穫したいものです。
さとやま農学校・染め部の藍染は毎年内容が違います。沈殿藍を育てた年もありました。これは生き物ですから、毎日交代で様子を見てかき混ぜていきます。真夏の暑いさなかの作業です。
沈殿藍を使った藍染を1986年にしました。こうして染めたものは、だんだん洗ううちに色が落ちていきます。それでいいのだと思います。自然から得た色が、水や風や紫外線にさらされてまた自然のどこかに還っていくだけのことで、褪せたらまた染めればいいだけのことです。薄まったら染め重ねて、ほつれたら繕って、そうして歳月を重ねて風合いが出てきたものは、手ぬぐいひとつでも大事に思えてきます。食料の廃棄は大変な問題えすが、衣服も使い捨ても相当なものと思います。衣食住の自給を考えたときに、一番難しいのは衣類の自給と思います。気が遠くなるような道のりで衣服ができる、あるいは染め上がる、それは歴史的に、非常に過酷な労働の中で出来上がってくる場合がほとんどです。今もそう。ファーストファッションと呼ばれる、安い衣類は、自分の見えない遠い国のどこかで作られたものです。気に入らなければ着ることもなく捨てる。じゃあ自給するかというと、そうそう簡単ではないのだから、せめてこうして身近なところで衣と植物のつながりが見えるのは大事と思います。
さとやま農学校は、野菜作りが基本ですが、こんな感じで受講生の皆さんの意識の向くままに枝葉を広げて自主活動もあります。2020年コースの現地説明会は、11月から始まります。「とりあえず、どんなところか見てみたい」という方は、どうぞお越しください。本講座のお申し込みをいただいた方には、講座の始まる前から様々なお楽しみ特典があります。
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