台風19号の大雨でイノシシが森から里へ出る
台風の大雨はまだ山から流れ出していて、久しぶりに林道に入ると全くドングリなど見当たりません。礫がただれて散らばる森は、秋の豊穣とは程遠い形相だからイノシシも鹿も、獣たちが大変な勢いで人里に出てきています。本来は姿を見せない昼間ですら人目をはばからない、相当に飢えた者らが間もなく冬を迎えるわけです。これも一つの二次被害と言えましょう。さすがに目に余るので罠を注文したのですが、在庫払底で一か月近く待って欲しいという業者の理由は、豚コレラが発生している自治体から、コレラを媒介するイノシシを捕獲するために大量に注文が来ているからだそうです。いつぞやの九州での口蹄疫では、病気をシカが媒介したために終息宣言までに大変な被害を被りました。風評被害も大きかった。いまここでイノシシの駆除に手間がかかるようだと養豚業の離農も増えるのではないかと危惧します。なにしろコレラだけではない、自由化交渉で米国産の豚肉の関税が大きく下がることになりました。確実に日本の養豚農家は減ります。コレラが離農に拍車をかけなければいいのですが、ワクチンのきかない「アフリカ豚コレラ」というまったく別種の病気も、中国ではすでに1億頭の豚を処分したと報道にあります。物事は重なって動く。
イノシシに踏まれた土からニンニクが芽を出しています。種をまくときに「てん圧」という作業をするのですが、雨で膨らんで冷えた土をイノシシが踏んづけてくれて芽が出やすいということもあります。これだけは面白い。
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