こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら、都会の皆さんに農的暮らしの楽しさと、里山の多様性を講座でお伝えしている「すどう農園」です。
収穫の秋を迎えると、今までご対面することのなかった世界とグングン親しくなります。それが「地下の世界」すなわち植物の根っこです。種をまくのも、栽培管理も、野菜の根っこを見る機会はあまりないですね。しいて言えば苗を畑に定植する時くらいでしょうか。そんなわけで、普段なかなかご対面することのない根っこですが、それがとても大事なものであることは今更申し上げるまでもないでしょう。「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」でも、ことあるごとに根っこの大切さを話しています。なんだか元気のない野菜や、育ちの悪い野菜、明らかに病気になった野菜などは、根っこを引き抜いてみてみると健康な野菜とは全然違う、いかにも貧弱で色の枯れたような根になっています。根っこを見れば、その野菜の具合は一目瞭然です。でも、畑に育っている野菜を掘り出して根の様子を見ることは収穫まで待たないとできないですね。つまり収穫とは、根っこを見る良い機会でもあるわけです。そこで今日は、収穫の秋にちなんで野菜の根っこの話をします。
1枚目はオクラの根です。ときに2mを越す背丈になるオクラですが、根は2mも真下に伸びているわけではありません。だいたい地表から30センチくらいの深さまでのあたりを延びています。これは同じように背丈の高くなるトウモロコシも同じで、垂直に伸びるからと言って、それと対照的に根が真下に垂直に伸びるというものでもないのです。下に行けば行くほど、土は粘土質や火山灰などの「有機質でない」地層になります。そのことを植物はよく認知しているので、ことさら垂直下方向に伸びたりはしません。
ニンジンの根は、上のようにしっかり細い根がびっしり生えています。出荷の前にニンジンの泥を落としながら同時に根も採ってしまいます。洗車ブラシのような機械でツルツルの肌になってしまうので、ふつうはニンジンの根がどんなものか分からないですね。元気なニンジンほど、こうした細かい根がしっかり生えています。とりわけ自然栽培の野菜は、自分から栄養を取りに行くために根の育ちが旺盛です。
落花生はマメ科なので、根の中に根粒菌が共存して、空気中の窒素を植物が利用しやすい窒素化合物の形に変換して取り込んでくれます。マメ科についてはクリムゾンクローバーも緑肥として土を肥やしてくれることを前日のブログで書きました。写真にある落花生の根に粒粒が付いたようにところどころ膨らんでいるのが根粒です。こうしたマメ科の収穫の時は、根っこを抜くのはなるべく控えて、このまま根は土の中に残しておくのが良いです。
ショウガの根に囲まれるようにひねショウガがあります。ひねショウガとは、5月に種ショウガとして植えたショウガです。新しいショウガの下についていて、これはこれで食べられます。サトイモの種イモなどは、秋に収穫するとすっかり小さくなっていますが、ショウガはまだまだ現役という感じでいるところが面白いですね。この持続力の秘訣は何でしょう?
このように「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」では、四季を通じて、野菜とじっくり向かい合っていきます。2020年コースの現地説明会も受け付けています。「とりあえず、どんなところか見てみたい」という方は、どうぞお越しください。本講座のお申し込みをいただいた方には、講座の始まる前から様々なお楽しみ特典があります。
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