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固定種のケールが育ってきました

ケールの固定種を農業体験で無農薬栽培する「さとやま農学校」では種取りもします。
ケールは様々な固定種があります。葉の形や色あいを楽しみながら、スープや炒め物など。さとやま農学校@すどう農園

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら、都会の皆さんに農的暮らしの楽しさと、里山の多様性を講座でお伝えしている「すどう農園」です。

写真のケールは、まだまだ馴染みの薄い野菜ですが、キャベツの野生種といっていいでしょう。動物で例えてみれば、豚とイノシシのような関係です。ケールはいろいろな品種があり、固定種も豊富です。葉の色あいや、カールの仕方などを目で楽しみながら食卓を賑やかに彩ります。
 

もともとキャベツの故郷は地中海の沿岸です。今のキャベツのように葉を丸くしていたわけではありません。これは「結球性」といって、たとえばレタスや白菜と同じように、丸くなる性質のものを人間が選抜してきたことで、今のようなキャベツになったのです。ですから野生種は基本的に丸くありません。その代表がケールですし、いまイタリア野菜として導入されている「カーボロ・ネロ」は日本語で黒キャベツという意味ですが、これもキャベツの野生種です。ウサギの耳のような長い葉を伸ばしています。いま「カーボロ・ネロ」も「さとやま農学校」でつくっていますので、これは後日アップしましょう。
 
冬に食べるキャベツの種まきは8月のお盆過ぎから始めます。そのころになると涼しくなるから、というのが本来の理由なのですが、今はもう8月どころか秋の彼岸を過ぎても涼しくないですね。なので種まきが非常に難しくなりました。本当に涼しくなるまで待っていると今年のようなスーパー台風が直撃してくるので苗をハウスに置いておけません。ハウスごと吹っ飛ばされる危険があります。あわてて風の来ない建物に入れると、こちらは暗いので苗が徒長します。がっちりとした構えの丈夫な苗を、どうすればつくれるのだろうか?というのが現在の農家の苦境です。市販の苗は農薬を使っていますので、あくまでも固定種で自然栽培ということになると、リスクを回避するために、何度もタイミングをずらして、なおかつ少しづついろいろな品種を蒔いて生き残った者を育てる。その方法につきます。となると、小さな規模で、それこそ自給ベースで作るほうがリスクが少ないとも言えますね。家庭菜園は、その意味ではかなり贅沢に理想を追求できる農法でもあります。そういう事情のなかでは、ケールはむしろ作りやすいものです。寒さにも強いので、少しづつ大きくなった葉からつまんで食卓に乗せればいいでしょう。来月から始まる「さとやま農学校2020説明会」でも、皆さんと育てたケールをご紹介します。子どもさんでも、生の葉をその場でパクっとかじって美味しそうな笑顔を見せてくれました。子供の美味しい笑顔は偽りがありませんから、本当に嬉しいですね。「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」の2020年コースの現地説明会は、11月から始まります。「とりあえず、どんなところか見てみたい」という方は、どうぞお越しください。本講座のお申し込みをいただいた方には、講座の始まる前から様々なお楽しみ特典があります。