こんにちは。
神奈川・相模原で野菜やハーブを自然栽培で育てながら農業体験講座を開催している「すどう農園」です。
台風15号は、こちらでは本当に軽微な影響で済みました。
とりわけ南房総では、お世話になった農家さんもおられて、胸の痛む限りです。
一体この先、ほんとうに農業はどうなるのか、まずは個々で考えなければならないところです。
秋には必ず台風の直撃があることを想定して、それを織り込んで農業の計画を立てること。
となると、風に弱いカキなどの果樹は、成り立たなくなるのではないかとも思ってしまいます。果樹など多年生の植物は、一度壊滅すると、立ち直るのに数年の時間と再投資が必要になります。それを見越してまで再出発することが可能かどうか。
色々と想いを巡らせながら「さとやま農学校」土曜コースに臨みました。
こちらは就農というよりはむしろ自給を目指す人たちの場、こうした時代だからこそなおさら、自分で食べ物を作ることが大事になってきます。食料そのものも大事ですが、そこに至る道のりの大変さがリアルに体感できる、それは非常に意味が大きいですね。
秋のイネ科の雑草は根の張りが強く、冬にも光を浴びるために横に伸びます。伸びたところからさらに根を張り、種を飛ばします。ちょっと引っ張ったくらいでは抜けない逞しさ。
地面の際まで鎌で草を刈ると、今度は手ごわいチカラシバのような株立ちの草が生えかねないリスクがあります。
そんな草とのつきあいも、コオロギの声を聴き、トンボの乱れ飛ぶなかで峠を越えてきます。
夏野菜を片付けながら、すぐに苗を定植します。
場所によっては複数の野菜が時期をずらして生きているので、なにかを収穫すれば次がすぐ顔を出します。
畑のなかでブランクをつくらないこと、できるだけ重なり合って育つことは、ちょっと難しいのですが、小さな規模で自給をするときのコツです。
キャベツやブロッコリなど、夏野菜の育苗は年々難しくなっています。猛暑と台風を避ける育苗は、日陰育ちのもやしになりやすい。植えた苗も猛暑で枯れるリスクが高い。
しかし市販の苗で無農薬栽培はほとんどないので、できるだけ種から育てたいものですね。作目・品種の選び方も大事になってきます。今年の秋野菜は「猛暑で作りやすい育苗」に重点をあてて、新しい作目を試し、そうして育て方もいくつか比較しています。気候がこれだけ変わってくるなかで「これがベスト」と一概には言い切れないものです。カタチを覚えるのでなく(それだとうまくいかないときに応用が利きません)、作りながら考えて、考えながら作るスタイル、それは私も含めての基本です。
考えて考えて考えぬくこと。
なんだか大変そうに聞こえますが、実は面白い。
台風で痛められた夏の果菜類のケア。
ナスやトマトの様子を見て整枝。
倒れたゴマの手入れ。
イモ類の土寄せ。
秋野菜の先駆けのシカクマメも収穫が始まりました。
ショウガももう一息。
種まきも、まだまだあります。
これだけやると、受講生の皆さんもかなりスキルと感性が備わってきて、卒業生の皆さんの畑などは「どうやったらここまでできるの?」と驚くほどです。
壊滅的な打撃はありませんでしたが、それでもいたるところに台風15号(ファクサイ)の被害があります。毎年「桑の実ジャム」の原料をたっぷり施してくれるクワの木が、しっかり傾いています。生きてくれていてよかった!
冬になったら枝を切り落として、体重を楽にしてあげようと思います。
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