一晩で風景が微妙に変わるのが、畑の面白いところです。
今年はキノコの当たり年?
長雨の影響なのでしょうが、こんなにキノコが生えてくるのも珍しいことです。大事にしましょう。
うちの畑は、草をざあっと生えたところで刈り払い、土に還す。つまり空気中の二酸化炭素と雨を炭水化物にするわけですが、分子の大きなリグニン、セルロース系は微生物だけではなかなか分解されません。
倒木や枝などの粗大な有機質を分解してくれる大事な仲間の筆頭がキノコなどの腐朽菌です。
自然農などでは「森に倣う」という言い方をしますが、それは大きな木を畑にはやす、という意味ではなくて、動植物、そして微生物や菌類が共生・協働しながら物質・エネルギーを循環させていくという自然界の道理を損なわずに、そこに人間がお世話になるということです。
背の高い草をはやして借り倒して有機質にして土に還元する手法は、うちでもやっていますが、同じ面積あたりでいえば、多年生の樹木が固定した炭水化物の量にはとてもかないません。それくらい樹木の炭水化物の量はすごいわけですが、それを分解してくれるのが、一部の昆虫類やキノコです。
なので、たとえばキノコを栽培している農家さんから使用済みの廃菌床をもらってきて、広葉樹のチップと一緒に畑に敷き詰める、という農法もあります。私も数年前にハウスでやりました。畑がキノコスープのようなおいしい香りになりました。とてもいい感じです。
ただし、こうした廃菌床は、慣行栽培のキノコでは殺虫剤を使います。なので有機JASでは、こうした廃菌床は認められないのではないでしょうか。すどう農園では、幸いに無農薬でキノコの菌床栽培を手掛けるところとご縁があり、譲っていただくことができました。
そうしたレアなケースはなかなかないので身近なキノコを大事にしたいと思います。森の倒木で腐りかけたものがあれば、いただけるならいただいて、腐朽菌を木陰のスペースで育てるとか(目に見えづらいですけどね)、そんな感じで、常に何かしら菌類を身近におければと思います。幸いここは里山なので、キノコ類には恵まれています。食えなくてもキノコは大事なのです。
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