こんにちは。
神奈川・相模原で自然栽培をしながら農業体験などの講座を開催している「すどう農園」です。
農園で栽培する野菜やハーブの多くが、自家採取つまり、自分の畑で種を採ったものです。
そのなかには「さとやま農学校」の修了生の皆さんが種を採ってくださったものも多く、年々豊かになってきました。もちろん数には限度があるので、いくらでも種の品種が増やせるというものではありません。例えばカボチャなどは在来種の「すくなカボチャ」だけに絞っています。それ以上の種取りは交雑してしまうので無理なのです。「さとやま農学校」では西洋カボチャも含めて数種類のカボチャを育てていますが「すくなカボチャ」以外は購入した種を使っています。
数日放っておいたハウスでは、おっと、すごい勢いです。
固定種「すくなカボチャ」は、漢字で書くと難しいので平仮名で。
細長いウリのような日本カボチャです。
今市販のカボチャのほとんどはセイヨウカボチャ(C.moschata)の品種です。
ホックりと栗のような甘味の品種が人気ですね。
日本カボチャは品種がよりは、そもそも違いますので、むしろねっとりとした食感。
西洋カボチャのような甘味よりも、出汁と炊き合わせて味わうタイプです。
カボチャは、ウリ科一般に通じることですが、とても交雑しやすいものです。
鉢などの虫によって花粉を運んでもらうのですが、虫を魅惑して花粉を運んでもらうための算段を実によく発達させています。
カボチャの起源はアメリカ大陸のアンデスなどの山岳地帯といわれます。
地形の変化が大きいゆえに気候風土も多様性に富んでいます。
それゆえに、カボチャもまた、多様に進化・分化して各地に適応・放散していきました。
進化の世界には「共進化(co-evolution)」というものもあります。
多様なカボチャ同士がさらに交雑を繰り返すには昆虫の協力が不可欠で、一方の昆虫もまた、カボチャの花粉にありつきやすいように、花に頭を突っ込むときの口吻のカタチを進化させたと、そうしたコラボレーションも行われてきたようです。
それにしても、勢いのすごいことです。
固定種の「すくなカボチャ」を種取りのために隔離栽培しているハウスも100平米あるのですが、かなりの面積を占められてしまいました。
ウリ科は、カボチャでもキュウリでも、一つの下部に雄花と雌花がそれぞれ着きます。
当然ながら、雌花が多いほど、実が多く取れます。
今どきの最新のキュウリ(交配品種)などは、実に雌花が多いですね。
だから収量もすごいものです。
ところが。
固定種(在来種)の特長は、一般的に雄花が多いのです。
そのぶん雌花が少ない。
これはつまり、同じ一株で比べると、収穫が少ないということを意味します。
ずいぶんな面積をとるのに、これしかないの?と拍子抜けすることもあります。
だから雌花がしっかりついて、しっかり受粉して、それがちゃんと大きく健康に育てくれるかどうかはとても大事なことです。花が咲いても受粉が失敗とか、実がついたけれど小さいうちに腐っておちてしまったとか、途中での失敗もあります。
上の写真の小さな「すくなカボチャ」、何とか元気に育ってくれますように。
こんな具合の種取りの模様も「さとやま農学校」では皆さんとご一緒に進めています。
9月からは「秋のショートコース」も開講です。
春の本講座まで待てないかた、少しだけ試してみたい方、
もうだいぶ埋まってきましたので、お早めにお申し込みください。
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