こんにちは。
神奈川の里山・相模湖で自然栽培をしながら農的生活の豊かさ・面白さを都会の皆さんにご紹介している「すどう農園」です。
今年から始まった「講座・森のガーデン」は、市販のDIYグッズに頼らずに、自然の素材だけで自分の場所をてづくりする講座です。
季節折々に樹木や草花と出会い、風の通り道や水の道を探り、石を見分けて、つる草をとる。
あれもこれも宝の山の里山をテキストにした場所づくり。
里山を舞台に様々な講座を企画してきた「すどう農園」ならではの講座です。
昨日は、「自然石と出会う」というテーマで、まずは石をゆっくり見て歩くところから始めました。畑のすぐそばの道志川は横浜の水源でもあります。
「横浜の水は赤道を越えても腐らない」
かつて世界の船乗りから絶賛された横浜の水は、実はこの道志川の水です。
道志川の源は富士山ろくの忍野八海(おしのはっかい)ですから、それも道理ですね。
じっくり眺めると、いろいろな石があります。
実は道志川は、とても面白い川です。
かつて、日本列島がまだ今のような形を成す前。
今の富士山や伊豆半島のもとになる大きな島が太平洋の南のほうにあり、それが膨大な時間をかけて「この日本列島のもと」にぶつかってきました、そうして隆起したのが今の丹沢であるのですが、その南から来た丹沢と、元の日本との境目が、この道志川なのです。
そんなわけで、表面的には見分けがつきませんが、ずうっと掘り下げていくと道志川の両岸は地層が全く違うのだそうです。専門家が見れば河原の石の種類も違うのだと聞きました。
「土地には固有の記憶がある」と文化人類学者の中沢新一さんは著書の「アースダイバー」で書いていますが、道志川の記憶も、岸辺の此彼で異なるのでしょう。
じっくりと河原を歩いて、石を拾い歩きました。
硬そうに見えて、簡単に割れてしまう石。
すうっと視線を吸い込む石。
さまざまにあるものから、なんとなく気が合いそうな石、手になじむものを拾います。
あまり重いものは無理せずに、パス
川原に逞しく伸びているヨモギにご挨拶。
ちょっとここで、練習をさせてもらいましょう。
庭づくりを想定して、地表を出す
大きさをそろえて段々に摘んでいく。
これは写真d菜と簡単そうに見えますが、バランスのとり方などが難しい。
つまりセメントなどは一切使わずに、石だけで積み上げる作業です。
英国などではDrystoneといって、石だけでアーチを作ることもします。
すごく面白い世界なのです。
そしてこれが、大きな石垣などにつながる空石積みの基本形です。
石は重いので、簡単にやり直しが来ませんから、まずはこういう小さなレベルで自然石との付き合い・石積みの作法を心得ておくことが肝心です。
広い川原にぽつりと、何気に意味ありげな空間になりました。
ここまでの写真は、眞弓英和さんにご協力いただきました。感謝。
「講座・森のガーデン」は、いつからでも参加できます。
全くの初心者の方から、従来のガーデニングでは物足りない方まで、小人数制のメリットを生かしてじっくりフォローします。
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