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堆肥とキノコのマリアージュ

こんにちは。

神奈川で自然栽培をしながら、都会の皆さんに農的世界の愉しさをお届けする「すどう農園」です。

ずいぶん長かった梅雨も、そろそろ終わりそうですね。

早春から仕込んだ落ち葉堆肥も、ずいぶんと熟成しました。
うちには動物がいないので、いわゆる厩肥は一切使いません。市販の鶏糞だの牛糞だのは、いったいどんなエサを食べているか分からない、そしておそらくは抗生物質をたっぷり与えられて、どのように残留しているかも分からない、そのようなリスクがあります。ほとんどの家畜が輸入飼料で育っていますから、外国産と思しき雑草の種が糞にまじっているので、それが畑で発芽することもあります。
 
畑の周辺の落ち葉を冬に集めて、米ぬかや畑の土を踏み込んだだけの堆肥は、完熟ではないので、土にすきこんだりはしません。軽く薄く、ショウガや里芋などの土寄せのときに、表土の上に置いていくだけです。
 
この長雨で、周囲にはいろいろなキノコがそだっています。
「きのこ(木の子)」と一口に言っても、樹木に生えるばかりでなくて、藁や落ち葉に生えるものまで、そのエリアは多彩です。微生物やダンゴムシといった昆虫、ミミズと協働して落ち葉や枯れ木などの、大きな分子の有機物を分解してくれる大事な仲間です。
 
たとえ姿が見えなくても、キノコは胞子などの形で畑にいてくれるので、そのエサになる有機質は、常にたっぷりと畑の地表にあるようにします。乾燥しない、水分を保った場所を絶やさないことです。
その意味で、朽ちかけた木はキノコのゆりかごです。
始めは固かった木の表面が、だんだんとこうした分解者の手によって柔らかくとろけてきます。セルロースやリグニンといった大きな分子の多糖類から、分子量の小さいオリゴ糖のような少糖類へと分解されてきます。
 
このような堆肥は肥料ではありません。
むしろ、多様な生き物の共生する空間であり、その生き物がまた土を豊かにしてくれるものです。植物の根が届かない部分の養分も、キノコなどが驚くべき長さの菌糸を伸ばしてリーチします。その一方で、菌糸は植物の根の細胞の隙間から「お邪魔」して、自分が得た栄養分を植物と交換する。
 
このようなダイナミックなやり取りの詳細は、まだまだ解明されていないところが多いのですね。今までは、どの栄養分がどのように効くか、いわば「機械論・還元論」的なアプローチが戦後この方の主流でしたから。
 
 今日も降ったりやんだり。静かな雨に打たれて、ひとりで黙って土くれと戯れるのは、愉しいことです。オーガニックの世界に浸る醍醐味です。

 そんなオーガニックの愉しさを味わえる講座として、今年の秋に「さとやま農学校・秋のショートコース」を開催します。通年で20回の受講になる「さとやま農学校」のショートバージョンです。
 

 春の本講座まで待てないかた、まずは少しだけ試してみたい方にお勧めです。 

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