逢魔が時。
こちらの世界とあちらの世界が、背中あわせに溶けあう時間。
秋はこの時間が長い。
それは真夜中よりも、草を抜く指先が見えなくなるくらいの夕暮れどきと思う。
どれほど暗くなっても指は、ひとりでに草を察して抜いていくのだけれど、もう顔を上げても周りは見えない。
そんな時間。
人の住み暮らす場所なら、あちら側への入り口は、たとえば
掘り井戸や四つ角や、橋のたもとだったり、それと分かるポイントがあるのだけれど、畑は例えば、見慣れた植物を囲うように、どこか空気のへそ曲がった場所があったりします。
気をつけないとね。
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