大好きな早春の旬。
ノカンゾウはユリ科の山野草。
いわゆる甘草(カンゾウ)とは全く別物です。
野焼きをした河原は草木灰がたっぷりで、そのあとに出てくるノカンゾウを根元から掘り取ります。
さっと湯にくぐらせて酢味噌でヌタ。
甘利にもシンプルですが、アクもなくて最高です。
宿根性の植物なので丸い塊根がついているのですが、これは茹でて食べます。
漢方でも何かの薬効があるらしい。
いま畑は端境期に入るのですが、こうした野山の恵みが、夏野菜の出るまでをカバーしてくれます。
そもそも野菜というのは、野草が固くなって食えなくなる時期のものではないか?
そんな表裏一体の関係ではないかとすら思うのです。
明治以前は野菜のほとんどは自給用だったことを考えれば、この関係は合理的ですよね。
イタリアやフランスでは、野草に近い野菜がたくさんあります。
種もちゃんと売っています。
セルバチコ(ルッコラの野生種)、タンポポ(ダンディライオン)、オオバコ(エルバ・ステラ)、プルピエ(スベリヒユ)、ストリドーロ(ハコベの仲間)などなど。
こうした野生を、もっと食卓に採り入れてほしいと思います。
苦みもアクも、うまくつきあっていけば、野菜とはひとつ次元の違う豊かさがあるのです。
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