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猛暑の草刈り・渓流でアランビック蒸留

オオブタクサやワルナスビなど、夏の雑草の面々が手前に見えます。
オオブタクサやワルナスビなど、夏の雑草の面々が手前に見えます。

 

こんにちは。

神奈川・相模原の里山で自然農を営む「すどう農園」です。

猛暑の3連休の初日。

例年のように国道20号線も中央道も、山梨や長野や富士山方面に出かける車で大渋滞。昨年までの自粛ムードの反動もあるのでしょう。まるでEXODUS。

明日は35度を超える予報なので、今日のうちに草刈りです。どこに出かけても暑苦しくて大混雑なのだから、草の中で汗かいているほうが気持ち良いよ。さとやま農学校の皆さんも、大渋滞の中を集まってくださって大豆畑の土寄せまできれいにできていました。お疲れ様です!


今の草刈りは、まるで「だるまさんが転んだ」のようです。草を刈って草を刈って振り向くと・・・もう伸びている!
とくに私たち自然農は、草を刈っては敷いていくので、年々土が豊かになる。つまり草の勢いも増してくるのです。今年はソバがとても良い感じで草を抑えてくれたので、次回からソバ君にはもっと広まってもらう予定です。写真を撮り忘れたけれど、今日もきれいに白い花が咲いていました。


竹は去年からしっかり夏に伐採して抑えてきたので、今年はだいぶ勢いが落ちました。さらに今日も竹の残党を刈ったので、ほぼとどめを刺したかな。日当たりが良くなったのでワルナスビやオオブタクサ、宿根草のギシギシ、その他のツル性の草など、おなじみのメンツも出てきています。どれも長い付き合いなので、このあたりの駆け引きは、わかるつもりです。「ここでコイツは伸ばしたくない」という場合は地際で刈ることもある。あるいはカヤツリグサのように「大地の産毛」として付き合えるものは、少し高めの位置で刈って残す。イネ科も、高めの位置で刈ることでカキドオシなどの地表に這うレイヤーを生かす、という具合です。慣れてくると面白いものです。草刈りイコール土づくりですからね。

 

 

ご覧のように、竹が攻めてくる最前線まで刈っていきます。むしろ、こうした境界エリア(パーマカルチャーでいうエッジ)が大事で、ここの処理を曖昧にしてしまうと何が何やらわからなくなります。

ご近所の耕作放棄地・あっという間にこうなります
ご近所の耕作放棄地・あっという間にこうなります

 

ご近所の耕作放棄地です。きれいにトラクターをかけながら耕作されていた土地でも、半年でこうなります。
今まで野菜が作られていた畑が、あっという間にこうなってしまうのは寂しいものです。しかも年々増えています。
人が減っていること、温暖化も進んでいることが、しみじみと象徴されていますね。

ハーブ蒸留体験@すどう農園
アランビック蒸留器を渓流で冷やす。ハーブのスープになります@すどう農園

 

暑い日の作業のあとは、近くの渓流にて涼みます。谷間なのでとても涼しいのです。
写真は数年前のものですが、こんな風に農園のハーブを蒸留した後に、渓流で冷や汁のようにしたこともあります。
ただしここは、数年前の豪雨で川岸が削られて狭くなり、あるいは崖の上の樹木も崩れてしまったので木陰も減って、以前よりは気温が上がりましたが、それでもやっぱり涼しい。やはり温暖化対策は、なんといっても緑を増やすことに尽きるでしょう。とすると「耕作放棄地だって緑が増えていることになるのでは?」という議論にもなりますね。大事な問題提起ですが、しかしここで「農業か温暖化対策か?」という対立軸は作らないことです。
そもそもこのあたりは、かつては酪農地帯でした。草を生やして家畜を養う。あるいは養蚕のために蚕の餌になる桑を育てる。そうした無理のない耕作の形があったのですが、今は酪農も非常に厳しいものですし、養蚕農家は数年前に最後の桑畑がなくなりました。何とかあのような循環の形を、今風に言えばサスティナブルな流れ・森のように自然の力で循環していく農業を、もっと地域全体でできないものかと思うのです。